新しい学び

オフィスを開室して、早いもので7年目に入っています。

ホント、ここまで、あっという間でした。

毎年毎年、時間と労力をかけて色々な心理療法を学んで、日々の臨床経験も沢山積んできて、カウンセラーとしてのあり方や倫理観も徐々に確立されてきました。

そうなると自信も付いてきて、やれることも実際に増えて、以前なら助けられなかった人も救えるようになって。

昨年、無料のオンライン講座を始めて、支援者向けのカウンセラー養成講座も始めて、自分のキャリアも、いよいよ臨床の知恵を伝達していくステップに入ってきたな、と思っていました。

こんな風に書くと、すごく順風満帆じゃないかと思われるかもしれませんが、その反面で実はとても悩んでいました。

表には出してないですけど。

このままでいいのかな、これで本当にいいのかな、って。

ブログの更新も最近していませんが、書いてはボツにして、書いてはボツにして、書いてはボツにして、を延々と繰り返していて。

密かなスランプ状態。

何でだろう・・。

自分の中で響くものが減っている?

生み出せるものが減っている?

自分の心が満たされていない?

エネルギー不足?

自分の器が一杯になってきた?

うん、どれも当てはまる。

これまで、ずっと、ずっと探してきて。

本当の癒しって何なのか、とか。頑張る力ってどうやって手に入れるのか、とか。

どうやったら人は強くなれるのか、とか。

僕らは一人でいると、超えられない壁にすぐにぶち当たる。

寂しくなったり、悲しくなったり、過去を悔やんだり。

風にあおられて、雨に降られて、埃にまみれて。

歩みを止めたくなっても、それでも歩いていかなきゃいけない現実。

どうやってそれを乗り越えたら良いのか、僕自身の内面の答えも散々探して。

静岡には、ちゃんとカウンセリングする所が少ないから、自分が何とかしなきゃと思って、頑張ってきた。

カウンセラーとして、自立して、稼いで、家族を養って。

開業前には、そんなモデルとなる人はどこを探してもいなかった。

教えてくれる人なんていなかったから、必死で自分を磨いて。そう、ひたすら磨くしかなくて。

開業してからも、失敗や後悔も沢山あって、その度に打ちのめされて。

至らない自分に失望し、それでも誰かの期待に応えたくて。

折れそうになる心を奮い立たせて、歯を食いしばって独り立ち上がる。

その頑張りもあって、自分の中で大切なもの(心葉)が固まってきたけど、それを大事にしたいと思うあまりに、いつの間にかそれに縛られて。

本当は何がしたかったのだろう・・。

元々あったはずのピュアな気持ち。

ああそうか。そうだね。

僕は、カウンセリングがしたいんじゃなくて、ただ人を良くしたいんだった。

オフィスの運営をしたいんじゃなくて、ただ世の中を良くしたいんだった。

辛い思いをしている人がいたら、ただただ助けたかった。

それだけで十分だった。

現実的にやらなければならないことが沢山あって、そういうものばかりを見ていたら、自分の心が曇ってきてしまっていた。

子どもの頃、僕は冒険が大好きでした。

木の枝を剣に見立てて、敵と戦い、草むらをはらい、道を創って、宝物を探す。

例え、そこに何かが無くたっていい。何も無くても、そこにはワクワクがあった。

僕の生き方の原点。

毎日が輝いて、楽しくて、次の冒険を探す。

もしかすると、誰も見たことがないような宝物が見つかるかもしれない。

誰もが喜んでくれる宝物が見つかるかもしれない。

そうか、そうか。そうだったね。

じゃあ、決まりだ。

カウンセラーっていう職業をしているから、臨床心理士とか公認心理師とか資格があるから、自分じゃなくなってきちゃったんだ。

専門家の立場や枠組みはとても大切。だけど、自分の心が縛られてしまうことがある。

だからね、今ココで、決めました。

カウンセラーを辞めます。

ええっ!?

マジで!?

どどーん。

でも、安心してくださいね。仕事としてのカウンセラーはこれまで通り、何ら変わりなくやります(だから表面上は、何も変わらないと思います)。

あくまでも、僕の中で、カウンセラーというアイデンティティを捨てた、ということですので。

書いて、ストンと何かが腑に落ちた気がします。

そんな訳で、カウンセラーというアイデンティティを捨てて、今年から僕は僕が必要と思った学びをしていくことにしました。

もちろん結果として、仕事であるカウンセリングの質を上げることになることを願って、です。

何を学ぶのか。色んなことが頭に浮かんでいます。

これは凄いことになりそう。

今、自分が思い描いている学びが出来たら、その人の人生を丸ごと救ってあげられるような、そんな臨床が出来るようになるかもしれない。

凄くワクワクする。

それでいて背筋が伸びて、身も氣持ちもピシッと引き締まるような。

新しい未開の土地で冒険を始めるような。

いつか僕の辿った道のりを、誰かが知ることになるかもしれない。

降りやまない雨はない。

そう、僕もそうだし、あなたも同じ。

命は限られているから、僕は進む。

この先、次の世代のために、より良い世の中を残してあげたい。

心が活き活きとして、誰かが誰かをソッと支えてあげる、そんな社会になっていくと良いな。

そんな未来も思いながら、僕は次のステージに向かうことにしました。

今、心葉のカウンセリングに来ていただいている方々や、これから先の未来にカウンセリングに来ていただく方達のためにも、大切な宝物を見つけたいと思います。

“新しい学び” への6件の返信

  1. 待ってました!
    久々のブログ、ワクワクしながら読み出して、もっとワクワクして読み終えました。

    先生の新しい学び。何なのか気になりますが(笑)、先生のワクワクも伝わってきた気がしました!

    そういえば、この頃こどもの時みたいにワクワクしてないなぁ…

    自分のワクワクも探しながら、これからの新しい先生と心葉も応援しています。
    ブログも楽しみにしています。

  2. >おまつりきんぎょさん

    コメントありがとうございます。
    今回、ブログで何を書こうかなーと思って、思うままに書いていったら、こんな感じになりました(笑)。

    お役立ち情報とかでは全然ないので、そういうブログの記事を期待しておられる方からすると、「ん!?」、みたいな感じで受け取られるかも知れません。

    そういうのは、また気持ちが向いた時に書こうと思いますし、(現時点ではお休み中ですけど)オンラインカフェ講座で公開しつつあるので、どうかご理解ください。

    何を学ぼうとしているかですが、心理学ではない別の分野を色々と学ぼうかなと考えています。

    例えば、分子栄養学(オーソモレキュラー)というものがあって。

    まだまだ発展途中の医療分野ですが、今の精神科医療を根底から変えてしまうくらいのポテンシャルがあると思います。

    もう治らないと思っていたものが治る。

    そのための可能性なら、何だって懸けてみようと考えています。

    とは言え、心葉のカウンセリングの形が変わるわけではありませんので、ご安心くださいね。

    と言うか逆に言うと、他の分野を学ぶことで、改めてカウンセラーのあり方が磨かれるというか、そういう風になっていくと良いな、とも思っています。

    今後ともよろしくお願いいたします!

  3. お世話になっております。

    最初に読んだときにカウンセリングを辞められてしまうのかとビックリしましたが、どちらかというと原点に還るという感じなのでしょうか。

    私も田舎の生まれで野山を駆け回っていました。
    その時のワクワク感は体や心に残っていて、今でも思い出すことができます。
    いろんなことに縛られて、忘れてしまっていました。
    今自分がやっていることの原点も忘れてしまっていたことを思い出させてもらいました。

    縛られないカウンセリング(もう“カウンセリング”と呼ばないのでしょか?笑)、楽しみにしています。

  4. >野生の子さん

    コメントありがとうございます!
    言いたいことを的確に捉えていただいて、とても嬉しいです。

    そうですね、原点に還りつつ、新しい一歩を踏み出す、という感じでしょうか。

    色んなことを学んできて思うのは、どんな分野でも、その道を創っている人たちの考えていることの本質は同じ、ということ。

    自分のために、という自我はどこかに置いてきて、誰かのため、社会のため、未来のため、そう体感しながら進む。

    一人の人間ですので、出来ることには限りがありますし、全員に支持してもらおうとも思っていないですが、信頼して来てくださった人たちの期待に、精一杯応え続けていきたいと思います。

    今後ともよろしくお願いいたします。

  5. 少し前の心葉でのお話は、殆どカウンセリング的な内容がなかったですよね。
    栄養バランスの話などでした。
    あれだけ先生が、人の心の不調に横たわるものが多岐に渡っていてそれについて勉強されている事は本当に感銘を受けます。

    私も、静岡で良いと思えるカウンセラーさんは先生を含めて数人しかいません。
    それで、きっと先生にしたお話の様な事を他のカウンセラーに持ち掛けたら絶対心理的なアプローチに持って行こうとすると予想します。

    人伝で聞いた話ですが、東京の方のカウンセラーで
    クライアントが「女性と喋るのが苦手なんです」
    と言ったところ
    「では今から一緒にナンパしに行きますか!」
    とカウンセリングルームを飛び出したそうです。

    破天荒なやり方ですが、先生にもそういう型破りな人の救い方をして欲しいと勝手に思っています。

    1. >やましたさん

      コメントありがとうございます。
      そうですね、カウンセリングの質を上げようとして勉強すればするほど、トレーニングを積めば積むほど、もうカウンセラーというアイデンティティじゃいられないな、と感じるこの矛盾感(笑)。

      僕の思い描く『その人を救う』ということが、カウンセリングという概念では収まらなくなってきていることに気付いてしまって。

      カウンセリングの中で何をお聴きして、何を伝えると良いのか、ただあれこれ心理療法をするのではなく、その人のその時のニーズに応ずる。そしてもう少し言えば、その人の未来を想定しつつ(その場のカウンセリングの流れとは違ってしまうこともあるので、ご本人には言わないことも多いですが)、解決に向かっての手立てを考える。

      みんな一生懸命生きていて。
      苦しくて、辛くて。寂しくて、泣きそうで。
      路頭に迷って、見捨てられて。
      絶望して、それでもどこかにあるはずの希望を求める。
      そして、それは僕も同じです。

      型破りと言えるほど破天荒になれるか分かりませんが、少なくとも自分の殻をその都度破っていく人生を歩みたいなと思っています。

      今、道がなければ、そこに行くための道を創ればいい。
      そのお手伝いが、僕の仕事かなと感じています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です