カウンセリングって、そもそも心が楽になるためのもの。
カウンセリングに行こうと決めた方は、そのために大切なお金を支払います。
でも、話のテーマやその人の状態によっては、話をしていると、こころが楽になる前に辛くなってしまって、話す前よりも傷が深くなってしまうことがあります。
カウンセリング後に一時的に気持ちが揺れ動くことはありますが(とはいえ数時間で戻ります)、その後何日も気分が悪かったり、悩んでいる症状が強くなってしまったりとか。
これはカウンセリングの失敗です。
何でこんなことが起こるのか。臨床心理士になりたての頃はよく分かりませんでした。
ですが、色々な心理療法を学んでは実践し、自分でも先生方から何回もカウンセリングを受けていくと、段々と何でそんなことが起きるのか分かってきました。
理由は2つ。
まず1つ目は、過去の傷つき(トラウマ)があると、その記憶に強烈に引っ張られて理性が機能しなくなってしまい、結果的に辛さが倍増してしまうことがあるということ。頭では過去の事だと分かっていても、身体が反応してしまうような。
これに気づいてから、トラウマをケアする心理療法を徹底的に学びました。
トラウマのケアについては、またいずれ書こうと思います(EMDR、Somatic Experiencingなどなど。専門的なことに興味あれば、後日お楽しみに)。
トラウマケアに有効な科学的な心理療法を知らなかった頃、恥ずかしながらトラウマはカウンセリングでその体験をしっかり聴いてあげれば治るんだと思ってました。
でも大間違いでした。全然、治りません。
そして、知らないって恐ろしい・・。
なので今は、そういった体験がありそうな方には、まずトラウマケアの必要性をきちんと説明し、どういう仕組みでトラウマがケアされていくのかしっかり説明をしています。
そして2つ目。
自律神経の働きが弱っていると回復力が働かない、ということ。
(※自律神経とは、呼吸をする、心臓がドキドキする、血圧が上がったり下がったりする、汗が出たり引いたりする、などの生物の本能に基づく活動を支える神経のことです。何となく心身の調子が良くない時に、自律神経失調症とか診断されることがあったりします)
実際に脳とか神経を生で見れるわけではないですが、トレーニングを積んできているので、お話をしていると、間接的にその働きを想定できます。
例えばストレス続きの毎日で、心が疲れてしまった人がいたとします。
細かな見方はここでは触れませんが、自律神経が弱っていない場合、その人のペースに合わせて、共感しながら辛かったことをお聴きすると、その人の自己治癒力が高まってきて、徐々に元気を取り戻していきます。
が、自律神経が何らかの事情で弱ってしまっていると、自己治癒力のスイッチがなかなか入りません。時には入らないどころか、辛い話から抜けられず、逆にそこに居続けることになるので状態が悪化してしまいます。
これを知らなかった時、辛い話をして黙り込んでしまった人に対して、『その辛さにカウンセラーとして共感しなきゃ』とか思って、こっちも黙って、『同じ辛さを感じよう』とかしてました。
これ、まずいです。ダメージを増やすだけです。今は絶対にやりません(過去を反省・・・)。
そんな訳で、心葉では、まずはこの2つを慎重に検討しながら、辛くならないカウンセリングを行います(状況に応じ、言葉で多くを語らなくても良いやり方で、カウンセリングを行います)。
カウンセリングを受けに来たのに傷ついた、とか「ないわー」と今なら思いますが、知らなかったでは済まされない仕事をしている以上、誰かから「ないわー」と思われないよう今後も研鑽を積んでいきたいと思います。
心葉 (火曜日, 18 10月 2016 23:32)
>みんさん
コメントありがとうございます。
頑張りたいのに頑張れない、そういう時もありますよね。
そんな時は信頼できる友人に頼ってみたり、心と身体をゆっくりやすめたり、
そういう時間も大切かもしれません。
全てを一人で何とかするのは、なかなか難しいこともあると思います。
紆余曲折ありながらも、自分らしく進めるといいですね。
ブログの方は、ぼちぼち更新していきたいと思います。
(自分も無理なく頑張りたいと思います)
また見に来てくださいねー。
みん (日曜日, 16 10月 2016 23:05)
こんばんは。
ブログまとめて読ませていただきました。今回のお話がなんだか好きで何度も読み返しています。
頑張りたいのにどうしても頑張れなくて、そんな自分がイヤになる…ホントどうしようっていう日々ですが、心が少し軽くなりました。
ブログ楽しみにしています。新たなスタート、頑張ってください‼