トラウマ治療の可能性【2016/11/23投稿】

オフィス開室から早いもので3週間が過ぎました。

ブログは毎週1回くらいは更新して・・と思っていたのですが、仕事の流れに慣れることに重きを置いていたら、全く更新できず・・。

なかなかまとまった時間は取れないですが、ネタは色々とあるので、ぼちぼち更新していきたいと思います。

今日は新聞に興味深い記事が掲載されていました。

人口知能(AI)を使って人の脳活動を制御する訓練をすることで、恐怖を感じた時の記憶を無意識のうちになくすことに成功したと、国際電気通信基礎技術研究所(京都府)などのチームが発見したそうです。

段々と、科学的にトラウマが解消できることが証明されてきたわけですね。

メカニズムは以下のようです。

①恐怖記憶が形成される。

 ↓

②自分の脳活動をコンピューターで確認しながら、恐怖記憶の脳活動に近づくと金銭的な報酬が与えられる。

 ↓

③繰り返しそれが行われることで、当初は恐怖と感じた領域が働いていたが、報酬に関わる領域が働くように。

 ↓

④無意識のうちに肯定的な記憶に変わる。

なるほど。

肯定的な記憶をベースにトラウマケアするという意味で、カウンセリングで行っているEMDRやSomatic Experiencing(SE)などと似ている気がします(それぞれの説明はまた今度。またはHPを見てください)。

ところで、トラウマって、そもそも解消されないと思っている人が多いみたいです。

苦しさや辛さが心身に染みついて、「それがあるから自分だ!」みたいになっている方もいて、そうなると頑な性格になっていたりします(カウンセリングで段々とほぐれますけどね)。

また、過去の記憶が辛いということに加えて、悔しい、恥ずかしい、など人に言いたくないような感情も加わっていると、とても話せないし、自分では意識的にそのことから離れようとはするけど、ふとした時に出てきて苦しくなって、人知れず悩む、とか。

自分が悪かった、自分の責任だ、自分はあんな目にあって当然だ。

こういうのは全部トラウマのせいであって、その人のせいでは全くないことも多いです。

トラウマケアの心理療法が終了すると、このことから解放されて、大分見える世界が変わります。

自分は楽になって良いんだ、幸せになって良いんだ、新しい一歩を踏み出して良いんだ。

そう思えるようになります。

近年、良い心理療法がどんどん開発されてきて、これまで手の出なかった心と身体の問題を解決できる可能性が出てきています(出来ると言い切りたいとこですけど、問題の背景には家族環境や生活環境など、他の要因との関連もありますので)。

色んな辛さがあって、極端な話、それを言葉にしなくても、その人が来てくれれば、なんとかなります(もちろん、話をしてくれればカウンセリングの展開が早いので嬉しいですけどね)。

今後もその方のペースに合った形で、最善のカウンセリングを提供できればと思います。

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