本気でやると変わる?ガチの栄養療法やってみた

カウンセリングに来られる方々は、何らかの問題が起きた時に、『これは心理的なことが原因ではないか?』と考えて来室されます。

心は目に見えませんので、どうして良いか分からない症状や理解の難しい状態・感情は、『心理的なもの』と捉えられがちです。

でも、それらは結果的に表面上に現れたもの。

その背景に、もしかしたら栄養面の問題が隠れているかもしれません。

え?栄養??

どういうこと?

毎日3食ちゃんと食べているけど。

いや、そういうことではなく、質的な栄養不良に陥っていたり、逆に不必要なものを過剰摂取していたり。

よくあるのが、女性がうつっぽかったり、不安が過剰に出てきたり、その背景に貯蔵鉄(フェリチン)の不足があったり、タンパク質が量的に足りていなかったり。

僕はカウンセラーなので、栄養学(と言うか分子栄養学)をちゃんと学んだわけではありません。

でも、一見メンタルの問題なのだけど、栄養に問題があったりすることもある、ということに段々と気が付いてきました。

これは心葉では調べられないので、分子栄養学(オーソモレキュラー)をやっている医療機関に行ってもらって、血液検査をしてもらうと、一発で分かります。

細かな検査項目の数字は、本を読んでもらったり、他専門の方に譲るとして。

とにかく、『心理的な問題』と考えていたことの原因が質的な栄養不良にあって、食事や生活習慣を変えていくと、それだけで結構良くなって、カウンセリングの成果も出やすくなる。

なのだけど、なのだけど・・。

クライエントさんに伝えても、説得力がイマイチだな、と。

僕はその道の専門家ではないし、なんちゃってプチ栄養療法を試してみたりはしているけど、ちゃんとしたものをやると体感としてどうなるか、は言えない。

そして、そもそもカウンセリング(心理療法)で変化することを期待している人に、栄養の問題かもしれませんよ、とは言いにくい。でも、根本に栄養の問題があったら、どんなカウンセラーさんでもその人のことを良くしてあげられない。

この板挟み状態の中で耳を傾けてもらうためには、僕自身が臨場感を持って、栄養の情報を伝えていくしかない。

よしそれなら、しっかりとそれを体験して、自分の体感としてクライエントさんに伝えることが出来るようになろう。

そうやって、より精度の高い情報提供が出来て、カウンセリングとは別の視点から悩みを解決する方法が提案出来るならば、それはとても良いことなのではないか、と思うようになりました。

なら。

ハードル高いやつ、体験してみよう!

ということで、世の中の栄養療法は、ソフトなものからハードなものまで、温度差も色々あるのですが、一番過酷(?)なやつに取り組んでみました。

そして大事な視点。

栄養療法は、時間がかかります。

例えば、うつっぽさの背景に、貯蔵鉄(フェリチン)やタンパク質の不足があった場合、鉄剤を飲みながら、タンパク質を摂取することを心がけて、若い方で少なくとも3か月程度は経過を見る必要がある。

年齢を重ねると、それが年単位になる。

うーん。

短いようで長い。

いや、年単位は長いか・・。

困っているのは『今』であって、苦しいのも『今』。

体質が改善するまでに時間がかかるのは分かるけど、もうちょっと何とかならないだろうか・・。

ということで、大事な視点。

出来るだけ早く変化が出る、ということ。

もちろん、無理をするのではなく、健康を維持しながら。かつ楽しみながらやれる。

で、見つけました。

僕が目を付けたのは、2週間で改善が出来る、という方法。

マジかよ!?

フタを開けてみると、時間がかからないということは、それはそれはそれなりのストイックさが必要。

細かなことを書くと、その講座(セミナー?)の営利に関わってしまうので、ここでは、食べた食事の内容と変化を書いてみます。

でもそれだと、あまりにも謎だと思うので、ざっくりと概要だけは書きますね。

①一口で50回は噛む

②生産者さんのことを想う

③糖質になる食品は食べない

④添加物が入っている食品は食べない

⑤味付けは、天然由来の塩のみ少々可

⑥40歳超えている人は1日1食

という感じで2週間やってみました。

うん、しかしハード(笑)。

ここから、僕の2週間の(自分との?)戦いの記録です・・。

1日目の食事

2日目の食事

3日目の食事

4日目の食事

5日目の食事

6日目の食事

7日目の食事(焼肉だったので、素材です)

8日目の食事

9日目の食事

10日目の食事

11日目の食事

12日目の食事

13日目の食事

14日目の食事

以上、2週間分の食事でした。

え?普通に美味しそう?

そう、一見するとそうなんですが。

概要で書いたところを確認してもらうと分かりますが、味は、基本なしです。

素材の味だけの食事です(天然塩を少々振りかけることはOKです)。

さて、2週間で起きたこと。

・たくさん噛むので顎が疲れるが、明らかに腸の調子が良くなった。内臓疲労的なものも減った気がする。また、日中の眠気がほとんどなくなった。気力も向上。確実にメンタルは安定。

・生産者さんのことを考えると、自然と『どこが産地で』『どういう経緯で』、自分の口までたどり着くのか、そんなことを思います。感謝の気持ちが湧かないわけがなくて、僕らは、生き物を食べて生きているんだ、と実感します。

・体重3キロ減少。もともとやせ型の体形なのだけど、高校生以来の体重になりました。でも、僕の体質的には、もうちょっと体重がないとパワーが出なくなる感じがするので、今後はお米もほどほどに食べて、適正な体重まで持っていこうと思います。

・味付けなしの野菜を食べる、天然由来の塩のみの味付けで肉を食べる、ただこれだけでも、美味しく感じられるようになった。スーパーで売られている食品のほとんどが、何らか添加物が入っており、それらを身体に入れると、五感が麻痺してしまうのだと気づく。

・仕事の能率が上がった。これは嬉しい喜び。糖質によって脳が鈍ることなく、タンパク質で身体の代謝を循環させると、原始の頃から人が本来持っていた、直観のようなものが冴えてくる。大げさに言うと、自分が何をすべきか、どんな使命を持って生きているのか、その答えが、自分の中から湧いてくる。例えば、桜はどのタイミングで咲くのか、もう桜の中に組み込まれている。鮭は生まれ育った川に、何年も海を周遊した後、ちゃんと帰ることが出来る。鮭の中に組み込まれている知恵。人の中にも、その人がすべきこと、心の奥に本来刻まれていること、これはもう既に、それぞれの中にあって、それにアクセス出来るかどうか、だけなんだと思える。

・お金の節約になった(笑)。普段仕事をしているとお昼は外食(今は普通に1000円以上かかる・・)ですし、夜は晩酌したり、つい一品多く買ってしまったり、時には甘いものを買ったり。でも、そういういつもの食事習慣ではないので、一日2000円くらいは節約になってくる。間食もしないしね。すると、単純計算で、14日(2週間)×2000円=28000円!仮に、1カ月やると30日×2000円=60000円!! 一年にしたら、720000円!!! もちろん、ここまでストイックに続けるのは難しいので、たまには外食したり、お酒も飲んだりの息抜きの日も良いですよ、と説明されているので、ちょっと緩める日があったとして。でもね、身体に必要な栄養素を取って、仕事の能率も上がり、頭が冴えて、気力が湧き、お金も節約できる。もうね、個人的にはやらない手はないです(笑)。あ、お昼食べないので、その時間は別の事に使えるね。

・とは言いつつ、2週間が終った後、久々に外食した食事の旨いこと、旨いこと。こんなに旨いもの食べてきたんだ、と気づく。ホント、味わって、感謝して食べないとね、と思う。心を込めて食事を作ってくれるお店には、これからも行きたいな。食べることのメリハリが大切。

で、結論として、僕がやったことと同じことをしてね、と言うつもりは全くなく。

と言うか、同じのやるの大変・・。

出来ることから始めると良いのかな、と。

女性であれば、鉄分足りてるかな?タンパク質食べてるかな?とか。

だるい、気力が湧かない、集中力が続かない、なんて症状があれば、糖質取り過ぎてない?カフェイン取り過ぎてない?とか。

ちゃんと食べてても、腸の調子が良くないと、栄養吸収出来てないかも?とか。小麦控えたらどうなりそう?とか。

そういうところから、出来る範囲で試してみるのが良いのかな、と思います。

ということで、栄養面(と生活習慣の一部)を整えることで、心身が驚くほど変わりました。

言うならば、今のこの一瞬を大切に出来るようになった、という感じでしょうか。

僕は夕食を食べるのみにしていたので、朝から何も食べず、でも水分補給はしっかりとしました。

日中の空腹感は、それはそれはありまくり(笑)。

でも、そもそも、人類は空腹でいる時間が長い状態で生きてきて、そういう時代のDNAを僕らは持っている。

お腹が満たされた幸せなひと時と、長い空腹の時間の反復。

これが原始の人間の本能を活性化させ、今本当に大切にしなければいけないこと、に意識が向く。

今、必要なことは何か。

スマホで何となくのネット検索。要らないよね。

何となく時間つぶしのYouTube。要らないよね。

家族のことを想う。必要だよね。

目の前のクライアントさんの人生に思いを馳せる。必要だよね。

世の中が良くなっていくために自分はどうあればいいのか考える。必要だよね。

僕らは、明日も未来が続くと信じている。だから、今ココで大切にしなければいけないことを先延ばしにする。だって、明日は来るのだから。

でも、そうじゃないかもしれない。

明日、もしかすると僕は目覚めないかもしれない。

DNAや細胞のレベルで、何が必要なのか、感じる。

いつもならスルーしてしまうような誰かのちょっとした善意に気づける。ありがたいなあ、としっかり思える。

そうして、ちょっとだけ善意を誰かにお裾分けしてあげる。見返りは必要ない。連鎖していくといいな、と願いつつ。

僕たちの古い祖先は、そうやって善意で助け合って、食べ物を分かち合って、明日死ぬかもしれないと思って、だから今生きていることを全力で楽しんで、何万年、何十万年も、命を繋いできた。

文明が発達して、人が楽をして生きられるようになって、便利な道具も使えるようになって、これからもどんどんそれは加速していく。

でも、人が幸せになることとその加速はイコールではない。

人にそれぞれに個性があるように、人の生き方もそれぞれ。

だから、栄養に意識を向ける人がいてもいいし、そうじゃない人もOK。

良いも悪いもない。

振り返れば、あっという間の2週間の栄養療法だったけど、それを通して、自分が大切にしたかったことを再確認するような体験が出来たな、と思っています。

ただくれぐれも、世の中には色んな考え方があって、それぞれの体質の違いもあって、栄養の情報も正しい一つのことがあるわけではない。

ここは、僕なりの学びがあったよ、という風に捉えてもらえればうれしいです。

『身体に本当に必要なものだけを摂取する』=『今自分に必要なことが分かる身体になる』

そういう事なんだな、と。

さて、栄養の話は最初で最後、今回限りです。

もし心葉のカウンセリングを受けておられる方で、興味のある方がいたら、ブログには書かなかった細かな話も全然しますので、言ってくださいねー。

“本気でやると変わる?ガチの栄養療法やってみた” への1件の返信

  1. 『今自分に必要なことが分かる身体になる』
    これは本当に大切だと、今なら、分かります。

    私は、ストレスが酷かった時、アルコール、白い砂糖、カフェインを大量に摂取していました。
    依存性物質で、感覚を麻痺させないと、ストレス状況に耐えられなかったからです。

    あの依存は「祈り」でした。
    がんばりたい。ちゃんとしたい。普通でありたい。愛されたい。存在を認められたい。
    それを必死に実現するために、摂取していた「お供え物」でした。
    身体に悪いことなんか百も承知ですが、それがないと、あの辛い状況では、がんばれなかった。
    尊いお気持ちによる依存なので、否定されたら、めちゃくちゃ腹が立ったと思います。
    しかも、依存物質のコマーシャルやドラマの素敵なイメージが、脳にこびりついて離れないので、“格好良くてオシャレで楽しくて気分が良くなるご褒美”だと未練が出てしまうのも困りものでした。

    心葉さんに感謝しているのは、最初にストレスの海で溺れている状態のときには、「まず助ける」を実践してくれたことです。

    栄養改善について言われたのは最後の方だったと思います。
    おそらく、溺れている真っ最中に、更なるストレスでしかない「改善」について言われたら、拒絶反応を示して、良くなるのはもっと遅くなったことでしょう。

    溺れている人は、まず助ける。→その人が元気になってから、改善をサポートをする。

    この順番を守ってくれる専門家は、本当に貴重です。
    「改善」は善で、真理。
    でも、それを、いつ・どこで・どんなタイミングで・どんな関係性で・誰から伝えられるかによって、薬にも、毒にも、爆弾にもなるのだと思います。
    タイミングを見計らい、相手の体力を見計らって、最適な時に提供するのが、プロの技術。
    信頼関係があって、ここぞという最適なタイミングで言って貰えたから、私の努力の結晶である「お気持ち」が傷つかなくて、すんなりと「改善」の話を聞けたのかな、と思っています。

    依存(習慣)⇔中毒(病理)のあいだでは軽度だったので、私は無事に習慣を変えられました。
    依存物質を減らした感想は、「身体って、こんなに楽なんだな~」という感じです。
    断続的に減らし続けて、一年、二年経って、ようやく安定して来ました。

    心、思考、生活習慣、栄養、身体、環境、人間関係、仕事。
    人間は、いろんなものが絡まり合っているから、一部だけのサポートでは、良くならない。
    あらゆる角度からのサポートを学んで、組み合わせて提供してくれる心葉さんは、大変貴重な存在だと思います。

    リーキーガットや腸内フローラなど、メンタルに直結する栄養学の分野は、まだまだ新しくて、専門家の中でも評価が分かれているようですが、
    なかなか良くならない事実をクライアントの自己責任にして、古き良き伝統に固執する専門家より、
    新しくて有効な学説を自分でも試しながら安全な範囲で取り入れて、技術を磨いてくださる専門家のほうが、ずっと頼もしいです。

    今回も勉強になりました。どうもありがとうございます。

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