心葉の由来(こんな時だからこそ考えてみた・・)

相変わらず、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が続いていますね。

先のブログの記事で書いていますが、当オフィスではその影響を考慮し、ウェブカメラを使用した遠隔カウンセリングを開始しました。

手探りで準備してきましたが、ようやく何とか軌道に乗ったかなという感じです。

この状況で、在宅でお仕事をすることになった方もいらっしゃると思いますが、意外とそれで何とかなる面もあったり、もしかするとこれまでの働き方を見直す必要性が出てくるかもしれませんね。

オフィスでの対面カウンセリングと遠隔でのカウンセリングを比べてみると、割と同じように出来るんだなという感覚があり、相談者様が自宅などで受けられる負担感の少なさ、はメリットかなと思います。

ただ、セラピーの微妙な空気感は少し生み出しにくいですし、いつものお茶もお出し出来ません(笑)。

ライブの良さが薄くなるので、この辺りはデメリットでしょうか・・。

とは言え、ここは技術的な要素も大きく、そもそものカウンセリング(心理療法)の本質を間違えないようにしていくことが、本当に大事です。

カウンセリングの業界も今回の新型コロナウィルスの影響で、スタイルが少し変ってくるでしょうし(変らざるを得ないと言うか)、そこで本質がブレない臨床家の強さのようなものが必要だな、と感じます。

今のこの時期、社会の転換点になるのは間違いなく、自分の進む方向をもう一度ちゃんと見据えないといけないぞ、と思います。

そんな中、相談者の方から「心葉(ここは)」って、どういう意味で名前付けたんですか?と聞かれました。

オフィスの立ち上げの時に、オフィス名をどんな名前にしようか随分と考えました。

そして、うーん、と練りに練って出てきたイメージ。

例えば、何かの種(タネ)を土に植えたとします。

水をやって、太陽の光を浴びて、そうして条件が整った時に、『生命のリズム』に合わせて種から発芽します。

この『生命のリズム』は、元々誰もが持っている先天的なもの。

「誰かの力」で無理に変えることは出来ません。

でも、その「誰かの力」は、必要な水をあげることが出来ます。

より良い土地があれば、移し変えてあげることも出来ます。

第2オフィスに、開室する時にいただいた大きな観葉植物(と言うか木)があります。

これまで、水やりは欠かさず、日当たりの程よい所に置いておいたので、元気で、緑が綺麗で、とてもいいなと思っていました。

でも、ちょっと不思議だったんです。

全然大きくならない。

・・何でだ?

そういえば、新しい葉っぱも出てこないし。

もう4年目なのに・・。

そしてふと気づくと、こんなことが起こってました。

げげ!

怖っ!!

これ分かりますか?

根っこが、プラスチック製の鉢を突き抜けて、周りにグルグルと巻き付いている・・。

そう、いつの間にか根っこが窮屈になっていたんです。

傍目には、とても元気なんですけど。

こりゃいかん、と思って知り合いの業者さんにお願いして、上手に植え替えをしてもらいました。

そして、3ヶ月が経ち・・。

ん?

ある朝、オフィスに行き掃除をしていると、なんか木の周りの床にもみ殻みたいのが落ちてる・・。

しかも、結構な数・・。30個くらい??

何だこれ??

そして、木を見ると・・・。

出た!新芽!!

なんか嬉しい!

うわー、やっぱそうだったのか。

この木の成長を止めていたのは、鉢の大きさ。

(そして、もみ殻の正体は、新芽を覆っていた皮のくずだったんですね。)

確かに水はあげていました。

カウンセリングで言えば、寄り添って傾聴してあげる感じでしょうか。

でも、本質はそこではない。

木は状況の変化・改善を求めている。

もうホントは小さくなってしまっているその鉢、それを変えてあげなくちゃ。

カウンセリングで言えば、それが心理療法という技術。

もう一つ、似た別の話。

自宅にあったオリーブの鉢植え。

このオリーブ、水やりをすっかり忘れてしまい、枯れ木の状態でした。

葉は全て落ち、水分がないため枝先はポキポキと簡単に折れました。

幹や枝の表面は、カサカサに乾いてしまい、これを発見した時は、直感的に「あー、これ駄目なやつだよな」と思いました。

鉢から抜いて捨ててしまっても良かったんですが、他の植物に水をあげる流れで、今度はちゃんと水やりをしてみました。

すっかり枯れた木に水をあげる。

もう無理だろうな・・・と思いながら。

でも、もしかしたら、と思って。

季節は冬から春に・・。

そしたら・・

芽っ!

出たっ!!

これ、緑のやつ全部っ!!!

ホントに全部、何も無かった枯れ木の状態からですよ(泣)。

奥の方の枝は、まだ枯れたままの状態で、これからどうなるか分かりませんが、それでもここまで復活(?)したのは、とてもとても嬉しくて、驚いています。

今は、自宅のオフィスのインターホン前で芽吹いてます!

もう駄目かも・・と思っても水をやり続けた。

そうして、何かが繋がって芽が出た。

自己治癒力を育むのも同じかもしれません。

心理療法という「技術」が大切という側面は、まずあって。

鉢を変えてあげないと、前に進めないことがあります。

でも、そもそも自己治癒力が働くかどうかも大切で、傾聴ともちょっと違う、水をあげ続ける信じ抜く強さ、みたいな。

表面に見えること、例えば対面カウンセリングなのか遠隔カウンセリングなのか。

あるいは、〇〇療法なのか、〇〇技法なのか、とか。

そういう所も大切だけど。

カウンセラーなのだから、そこも踏まえて、もう少し違う所にたどり着きたい。

それが「心葉」。

ああ、そうか。

今、書いてて改めてしっくり。

困っている人がいたら、長年磨いてきた技術や知識や自分の個性で、一歩を後押ししたり、刺さったトゲを抜いたり、溺れてたら引っ張り上げたり、倒れそうなら支えたり、寂しかったら寄り添って、時にはカウンセラーも涙して。

ああ、そうだね。

そうやってたどり着きたいんだな。

え?

それって、どこ?

・・・まだ分かりません。

少なくとも、僕の心の葉が伸びていく、その先にあることだけは間違いありません。

人の心は無理には変えられません。

でも、葉が伸びていくのを支援していくように、人の心を支援するのは可能です。

今は苦しいかもしれません。

でも、この先に続く道が必ずあります。

雨上がりの空に向かって、伸びていく葉を心に強くイメージして。

まずは、カウンセラーが次の一歩を踏み出していく。

今はこんな時だけれども。

ここから、今ここから。

そう、あきらめない。

その向こう側へ。必ず行く、と決めて。

それが「心葉」。

“心葉の由来(こんな時だからこそ考えてみた・・)” への5件の返信

  1. 五月晴れ (月曜日, 11 5月 2020 16:53)

    このブログを見て、「心葉」を選んだこと、先生にお会いできたこと、心からよかったなぁと思いました。

    辛くて、自分に価値など見出せないでいました。
    辛いのは、自分のせいだと思っていました。

    でも、先生のところの植物みたいに、自分にも自己治癒力があるかもしれないとおもえました。

    心葉に通いながら、自分の自己治癒力を信じて育んでいきたいと思いました。

    先生なら、一緒に信じてくれると思えて、安心しました。

    でも、いつかは卒業しなくてはならないと思うので、私の心の中に、殻を破った新芽が顔を出すまで、もう少しお付き合いいただければありがたいです。

    「心葉」、本当にステキな名前ですね!

  2. SSK (月曜日, 11 5月 2020 21:22)

    個人的には科学的に証明されているものを信じる傾向があり、目に見えないものは少し信じがたいところがあります。
    心葉さんの扱う心理療法は科学的な根拠があるものと聞き、受けてみようと思いました。

    ただ、目に見えない「感覚」みたいなもので何かが成り立っていたり、何かが進んでいるのを否定できない時があるのも事実です。
    「なんだ!?これは…?」と思い、理論立てようとしても難しい。そんな時があります。

    植物や私たちに備わっているとされている自己治癒力も、先生のおっしゃっている、信じ抜く強さというのもそういう類のもので、枯れてしまったように見えた木が芽吹くのにも、たしかにそういう目には見えにくいものが必要だったのだと感じました。

    理詰めの私が心葉さんにいる時安心するのは、そういうことなのかもしれないと思いました。

    ブログを読んで、私も、少し柔らかくなれそうな気がしています。

    心葉の意味が知れてよかったです。

  3. 心葉 (日曜日, 24 5月 2020 15:55)

    コメントを書いてくださって、ありがとうございます!

    >五月晴れさん
    自己治癒力、本当にそうですね。
    これは、誰の心にもあります。
    でもそれが弱かったり、働きにくくなっていることは、あると思います。

    僕はあきらめが悪いというか、しぶとい所がありまして(笑)。
    何度転んでも、絶対に立ち上がってやる!みたいな。

    起業して独立したカウンセラーって、きっと恵まれた経緯で
    ここまできたんだろうな、と思われる人もいるかもしれません。

    でもね、そんなこと全然無いんですよ。
    悔しい思いや挫折や涙を一杯経験してきて、それでも前を向く。

    僕自身、これまでの学びの中で、様々な心理療法を受けて、助けられる
    経験をしたからこそ、今がある。
    だから、それを繋げていく。

    それで誰かが幸せになれるのなら、そういう人生もいいかな。
    なんて。

    カウンセリングは、いつか卒業します。
    その時には、自分なりの種を手に入れていて、自分の好きな所に植えて、そうして
    また誰かの支えが増えて。

    そんな風に繋がりが起きていくと嬉しいです。

    >SSKさん
    科学的根拠はとても大切で、最大限そのことを説明できるように勉強し、また
    更に次の勉強をしていく。

    まだまだ今の科学では説明出来ないような分野やケアの方法はあって、でもそれも
    とても役に立つという確信があって、それをどうやって今の臨床に組み込んでいくのか。
    そこが現時点の課題だと思っています。

    心理療法は魔法ではありません。
    それでも魔法のような効果を発揮することはあります。

    自分が自分の道を信じて進んで、もっともっと『心葉』が根を張って、どっしりとした
    ものになるよう、まだまだ精進していきたいと思います。

    引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

  4. やました (火曜日, 30 6月 2020 08:18)

    「何も芽が出ずに枯れて行くのは怖い。」

    最近そう思います。
    本当は廃道などで時々見かける、道路標識を捻り切らんばかりに育っている逞しい木に憧れます。

  5. 心葉 (月曜日, 13 7月 2020 13:30)

    >やましたさん
    コメントありがとうございます!
    返信が遅くなってしまって、すみません。

    『芽が出ずに枯れていく』
    これは、本当に怖いですね・・。

    自己治癒力は、条件が整いさえすれば、自然に発現します。

    心理療法はその中の一つの手段。
    またセルフケア(自分自身へのケア)も大切ですし、大切な他者との繋がりも大切。
    そして健康もお金も大切です。

    何もかも完璧に持っている人はいません。
    ちょっといい話ですが、全部与えられてきた人より、苦労した人ほど、挫折した経験を持っている人ほど、後々たくましくなります。

    カウンセラーとして生きてきて、傷つくこともあって、自分が感じている実感でもあります。

    すらっと伸びた綺麗な形じゃないけれど、心葉はまだまだ伸びていきます。

    今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

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